アイニ(smorgas)
S-KENワールド炸裂!
年齢と共に歌う唄があり、時代と場所から詩が生まれジャンルが育つことを教えられたアルバム!
現実と空想の夢世界を行ったり来たり。そんな毎日を描くサントラのようだ!
いとうせいこう
新しいアルバムで、ドンが不死であることが示された。
音楽の奥深さ、割り切れなさ、言葉の多層性などなどを従えて
今井智子(音楽ライター)
大人の夜が扉を開いた。歌心に溢れた言葉、言霊が暴れる歌が、共に長い夜を過ごしてきた面々と響き合うグルーヴの深さは尋常じゃない。S−kenさんはこの25年の間もずっと歌い続けていたのだ。この作品はそれを示している。
内本順一(音楽ライター)
春頃、久々にお会いした際、s-kenさんは言った。国外の60代・70代の歌手たちは、その年齢に見合った内容を歌っている。その歳なりの思いを歌っている。日本のポップ・ミュージックの世界にはどういうわけかそれがない。土壌もない。ならば自分はそれを歌うべきじゃないかと。このアルバムで、s-kenさんはまさしくそれをやっている。「千の目、友にはふさわしき贈り物を」や「鮮やかなフィナーレ」。僕がとりわけグッときたこの2曲でs-kenさんが歌っているのは、つまり人生であり、ひとつの境地だ。しみったれることなく。あくまでも粋に。そしてこれまでやられてきたことの全てが凝縮されたようなこの作品、歌詞もメロディもアレンジもリズムも流れもいいが、わけても歌がたまらなくいい。歳とることに対して前向きになれる、これはそういうアルバムだ。
エドツワキ
近年は細野晴臣さんとの会話の中で音楽の旅路で出会ったキーパーソンのひとりとして語られる田中唯士という人物、それがs-kenそのひとと気付くのに暫し時間を要した。僕はs-kenさんと出会った90年頃にカメレオンナイトのフライヤーを何度かデザインさせていただいた。本作はその時代から時を経て放たれた、豊潤でありながらフレッシュな奇跡的なアルバムだ。音楽の旅路の果実がたわわに朝陽を浴びている。
エンドウソウメイ ( イラストレーター、ライター&インタビュアー)
喧騒の80’sトウキョウシティーで己の快楽だけに身を委ねた私立探偵くずれのディックは、雇われエージェントとして囲われていた闇組織の金を、惚れた女の足抜け資金として懐に入れたことがバレ、1990年冬、ありもしない黄金郷、「エル・ドラードへ旅立つ」と身近な友人達だけに告げ、この街から忽然と姿をくらました。誰もがその存在すら忘れていた2016年、オールド・ディックとなった奴は黄昏を身に纏いこの街にひょっこり舞い戻り、懲りることなく南米奥地で身につけたマッドサイエンスを駆使して組み上げたコンピューターワクチンを夜な夜な闇のモンキービジネスで売りさばき、長年待たせていた元踊り子と添い遂げるための高額の金銭を得る。しかし、組織がそんな奴の身の振りを見逃すはずもなく……、……、……。ここまではハードボイルド・s-kenワールドの主人公であるs-kenの化身ディックの話だ。……、さて、
実に25年という年月を経てリリースされるs-kenのニューアルバム『テキーラ・ザ・リッパー』は本人が自虐的にほくそ笑む“遺作”とは程遠い意欲作となった。自身主導の「東京ソイソース」ムーブメントに代表される画一化された8ビートロックへの“反”は、100作品を越えるプロデュースワーク中に培われた先祖帰りとも云える、ウッドベース、チューバホーンをもリズム隊に配した独自のアコースティック・グルーブが更に上書きされ、純国産培養のアフロ・パンクビートは驚く程重層な仕上がりとなった。
皆が期待する音楽予言者s-kenとしての側面が最も特化しているのは、トラック11。ボブ・ディランがヒップでロッキンだった最初期を彷彿させる『嵐のなか船は出る』ではないだろうか?実にノーベル賞騒ぎの2年以上も前に、ディランの持つ現代性を関知し書き上げたのだからその予知能力には舌を巻く。
詩に関しても衰えを知らない。サイバーパンクが世にパッケージされる以前のSFニューウェーブのハーラン・エリスン等からインスパイアされ、ファーストソロアルバム『魔都』で既に萌芽。s-ken&ホット・ボンボンズ結成後に加速していった、あの“ハードボイルド・s-kenワールド”に、ポップスではネガティブな題材ゆえノベルティーソング以外ではタブー視され、しかし近年自身にも確実に忍び寄る現実“老い”、の風景を敢えて赤裸々に入れ込み、更に長年暖めていたガブリエル・ガルシア=マルケス等のラテンアメリカ文学に見られる表現技法“マジックリアリズム”の大胆な導入で“シン・魔都”の制圧空域は空前の高度にまで達した。本作の芳醇な詩世界を、s-ken最大の理解者、編集者、著述家の故川勝正幸さんの手で、ガブリエル・ガルシア=マルケス論を交えた的確な読解としての評で読めないことが今はただただ残念である……。
2017年、s-kenは新たなる表現の扉をまたしても開けた。それは大袈裟ではなく、稀人のみが出来ることであり、我々に執って心底喜ばしいことなのだ。
Oto(じゃがたら/サヨコオトナラ)
S-Kenが新しいアルバムを出すと知ってうれしくなった。
思い出に残る80年代の音楽シーン『東京ソイソース』の4つのバンド。
S-ken&ホットボンボンズ、ミュート・ビート 、トマトス、じゃがたら。
画一的な8ビートのロックだけを煽る音楽メディアに対抗して、
ラテン、レゲエ、アフロ、黒人音楽が生み出した多様なリズムを
独自にブレンドするバンドが集まった。
新しいシーンは自分たちで作ろうとS-kenが呼びかけて始まった。
藤原ヒロシ、高木完、いとうせいこう、ECD&Chieko Beauty、ランキン・タクシーも加わって、ヒップホップ、ラップ、DJカルチャーも織りなしてきた。
あれから30年が過ぎて、当時の編成でメンバーが揃えるバンドはなくなった。
唯一、S-ken&ホットボンボンズだけが全員が現役バリバリで集える。
そのバンドの新しい音なんだから、我が事のようにうれしかったです。
ライヴもさぞかし楽しかっただろうなあと思う。
曲を聴けば、ホットボンボンズのサウンドの凄みに圧倒される。
30年前も気絶するほど達者だった演奏がさらにさらにナノ・レベルの緻密さで
息がぴったりあっている。なんという達人達なんだ、バンドなんだ!
S-kenのメロディや言葉はなんだかただただ愛しさに溢れている。
やっぱりたくさんの友達を見送ったからかな。
レトロでハードボイルドな異人都市的フィルターのS-kenワールドは
まるでこの世の見納め的なスクリーンショットで映ってくる。
ラスト・チューン「鮮やかなフィナーレ」ではついに泣けてしまった。
でも、S-ken、「フィナーレ」とか言うのまだ早いんじゃないの?
デヴィッド・ボウイとレナード・コーエンが
今年素晴らしい生前葬アルバムを作って逝ってしまったけれど、
S-kenのこのアルバムもまた人生の締めくくり的なものだなと受けとめました。
だけど、S-ken&ホットボンボンズにはぜひとも
ブエナ・ビスタのような長老サウンドをお願いしたいのです。
なので、まだまだいきましょう!
織田祐亮(TRI4TH/ORI-TOSHI)
音楽家、トランペッターとしての現在があるのは、間違いなくs-kenさんのおかげです。おかげさまで37歳になりました。
今回のこのアルバム「Tequila The Ripper」を聴かせてもらい、思ったのはただひとつ「こんな歳のとり方してみてぇなぁ」という事。最高にカッコイイっすよ、s-kenさん。
アルバムを聴かせていただき、こんな若輩者の僕にコメントまで書かせていただき、本当にありがとうございます。
川内一作 (レストランオーナー)
オールドデックに乾杯
十一月の終りに短い旅をした。北九州の門司港から国東半島をまわり鹿児島で黒豚トンカツやらたっぷり太った南国うなぎやらを食い散らかして帰りに京都に寄った。京都では昔ニューヨークで遊んだ友人達と食事をした。一人は京都出身の男でニューヨークから帰って以来地元でずっとバーをやっている。もう一人は島根県の松江に帰りマトモに会社勤めを続けてこの間定年になった。京都の男のバーから松江の男に電話をして、明日このバーは休みだからどうせヒマしてるなら松江から京都に来い、三人で飲もうと言ったら、松江の男は松江から京都まで四時間かかるぜと文句を言ったが、翌日のこのこやって来て三人で御池近くの料理屋で飲んだ次第。当然あの時代のニューヨーク(一九八四年頃だったか)のハナシになる。イーストビレッジにあった「道場」という日本食レストランの二階に二人は住んでいて、そこに自分は短い間だったが転がり込んだ。
パラディアム、ライムライト、亡くなる直前のユル・ブリンナーは「キング&アイ」でブロードウェイのステージに立っていた。 CBGBでジュディ・モアットのボブ・マーレィヒットメドレーで踊った、ニーナ・シモンをカーネギーホールで見た。そんなことはめったにないハレの日で、いつもはトンプキン公園のベンチに座ってホームレスをからかうか、地下鉄でコニーアイランドまで行き、ボードウォークからボンヤリと大西洋を眺めた。瀬戸内出身の自分にとって大西洋は淋しい海だった。ひとしきり想い出バナシに花が咲いて先斗町のバーに移った。鴨川が見えるそのバーで旅の途中聴こうと思っていたSケン氏からいただいた新アルバムをかけてもらった。
「千の目 友にはふさわしき贈り物を」を聴きながらあの頃のイーストビレッジでさかさまに生きていた男や女たちのことを想い出した。それから七曲目の「オールドデック」に入ったとき自分は今年の四月に亡くなった古い友のことを思った。長い付き合いだった。自分は彼から実にたくさんのことを学んだ。とるに足らない水商売の荒野で共に闘ってきた。しかし多くは語るまい。語ればみんなウソになってしまいそうだ。「オールドデック」を黙って聴いた。
酒とバラの日々よ
ジャングルと嵐の日々よ
あっという間にすぎた
一瞬のまぼろしのよう
おいぼれオールドデック
どうしたオールドデック
もうすぐサンライズ目を覚ませよ
君塚太(書籍編集者)
s-kenさんと初めてお会いしたのは、1988年のことだった。川勝正幸さんに呼ばれて、芝浦インクスティックに出演中のs-kenさんに引き合わされた。その時、川勝さんからはs-kenさんが雑誌に連載していた『異人都市TOKYO』のコピーを手渡された。
私が勤めていた出版社から『異人都市TOKYO』を刊行させていただくことになり、改めてお二人と打ち合わせをした。当時、新入社員で22歳だった私は、打ち合わせ中に名前が挙がった人物や固有名詞の8割は理解できなかった。かろうじて知っていたのは、ウィリアム・ギブスンとヘンリー・ミラーくらいだった。
それから約30年が経ち、25年ぶりにs-kenさんが完成させたアルバムを聴いている。収録曲「千の眼、友にはふさわしき贈り物を」に登場する、「あっけなくあの世に行った」「点と点をつなぐ男」のことを考えながら。s-kenさんという大きな点と、小さな点である私をつないでくれたことに感謝しながら。
ケイタイモ(WUJA BIN BIN など)
デビューの時に関わってくれて、あれから20年くらいでしょうか~相変わらず街角でバッタリしたりライブに遊びに来てくれたりで、フットワークの軽さもまだまだ健在の大先輩でありますが、音の方も我が道を貫き続けておりますね~1文字1cm四方ほどのデカいメールが来てビックリですが、そんな歳でも尖り続ける姿勢は俺も継承してまいります!
こだま和文(DUB STATION)
7枚目の新作アルバム制作、発表、とても嬉しいです。ものづくりには何かと逆風の昨今、快挙です。
ホットボンボンズはもちろん、豪華なゲスト陣を交えて充実の全12曲。
若きアーティストの才能を見出し育てながら、一方で幾人もの尊い才人達を見送ってこられましたね。ぼくらが、ある日出会い、活動を共にし、今生きていることに感謝しています。
時代がどう変わろうとも
「s-kenはs-ken!」
この新譜で見つけたキーワードです。
小西康隆(文筆家)
s-kenさんが25年ぶりになんともゴキゲンなアルバムを出してくれた。
一曲目からスワンプロックのビートに乗って、自然に体が動きだす!まるでキューバやメキシコ辺りの場末の酒場でのライブ演奏を聴いているような気にさせてくれるアルバムだネ。
どの曲も酒を片手に聴いて欲しいのだナ。テキーラ、バーボン、ビール、何でも美味しく感じる筈だろう。
混沌とする時代へ突き刺すように歌う鋭いメッセージは、s-kenから僕ら酔いどれたちへの応援歌の様に聴こえたよ。さぁ、もう一度聴きながら、酒場へと繰り出すとしようか。
コモエスタ八重樫(DJ/音楽関係家)
キテマス!キテマス!(古い表現でスイマセン)
腰に キテマス、ハートに キテマス
ジャンル越えの心地よさ、横揺れ縦揺れの容赦なさ
骨まで音楽漬けのS-KENパイセン
まったく檄レア盤手に入れたごときな
おニューなアルバム、、、、ザンス。
サエキけんぞう
音がイイ!驚いた!細野さんのベースにもぶっとんだ!ボーカルも厚い!ビックリした!
地引雄一
S-KENと出会ったのは東京ロッカーズの時だから、もう38年もの歳月が流れている。その間、、一番印象に残っているライブは東京ロッカーズの時代ではなく、1999年に新宿ロフトで開催したイベントDRIVE to 2000と、その10年後のDRIVE to 2010でのステージだ。豪華なメンバーをバックに歌うS-KENの力の抜けたパフォーマンスによって、会場中が暖かい幸福感に満たされていた。それは後にも先にも例のない至福の体験だった。このニューアルバムにも、内から滲み出るS-KENの幸せを呼ぶ力が全編に溢れている。これはもうS-KENにしか出来ない芸当だ。彼の敬愛する都々逸の名人、柳家三亀松と同じ領域に既に到達しているのは間違いない。
高木完(ex.FLESH)
78年の1月に出たパティスミス表紙の『詩の世界』でS-KENがまだ田中唯士という本名で知られていた頃のNYレポートの記事。自分、高1刺さった。その後S-KEN STUDIOのオープニング。田中さんがS-KEN(初めはバンドの名前だった)のリーダーで、S-KENがその日のトリだった。
その頃田中さんがよく着ていた水玉シャツがディランの影響と気づくのに30年かかった。78年だか79年に田中さんに声かけられた。いや、もしかすると自分から声かけたのかもしれない。あの頃客なんてそんなにいなかったから。8 1/2をやめることになってた中嶋一徳さんと僕に「一緒にバンドやったら良さそうなんだけどな」って言ってくれたんだ。うれしかった。ああそれから東京ロッカーズのライブ『ああ恋人』は大好きな曲で、40年たった今も色あせないどころか今度出るアルバムにつながってる。ブガルーとかでロックンロールするかんじ。それからその頃のライブで覚えてるのはヒューコーンウェルとジャンジャックバーネルが新宿ロフトに来たとき、まわりも『オオッ』ってなって、僕も当然「ストラングラーズだ」と思って『オオッ』となったけど、オレたちのお目当てはリザードやフリクションなんだ。ストラングラーズじゃないって思って、まわりも自分もつとめてクールにしていた。その頃ギグとギグの間は結構シーンとしてて、演奏が始まるまでは静かなんだ。トリのS-KENが出てきたとき、覚えたての英語で僕は「fuckin brilliant man!」って叫んだ。もちろんジャンジャックとヒューコーンウェルに聞こえるように。そしたら二人が反応してくれてその反応につられて周囲も遅れぎみに盛り上がったんだ。けど、数年後にどうやらそこにいたらしいECDが客席から「ファッキンオールドメン」って野次が出て、嫌だったって書いてて、「それ違うんだけどな」って思ったのを今急に思い出しました(笑)その後僕もFLESHでロッカーズのギグに出るようになるんだけど、坂本ミツワがS-KENに参加したりもあったりして、彼女と東京ブラボーを始めたときはS-KENがツバキハウスで沼田元氣なんかとニッポニーズナイトを始めたときで、その後いとうせいこうと藤原ヒロシとタイニーパンクスはじめた頃がソイソースで、結構いつもお世話になってたな~と、またまた急に思い出したり、ジェームスラベルがモーワックスにDJ KRUSHを誘ったのもS-KENが編集したコンピだったじゃん、とか、細野晴臣さんにマーチンデニーを教えたのも田中さんらしいよ、とか、とにかく日本のポップミュージックにおける重要なフィクサーであることに間違いないのだが、そんなS-KENの新譜が2017年に聞ける!SKEN目線のSKEN節全開!STILL ECHO。まだまだ僕も頑張ります!!!
タカツキ(コントラバスを弾き語るラッパー、エイミ・アンナプルナとのユニットiLalaは師のプロデュースによる)
おもしろいぞ、斬新だ、という事を辿って見ると既にエスケン師の足跡を発見する。時間を重ね、音楽がまた一層楽しくなると彼が言っていた事を理解することがある。
江戸っ子のエスケンさん。このアルバムにも「ヒップ」と「粋」が綯い交ぜになってあまたの街角の音楽が東京という都市で鳴り響いている。
そろそろ彼を中心としたファミリーツリーやマインドマップ的ものを研究する人が現れてもいい頃だ、と僕は思う。
そのモザイクから、東京や日本に、従来とは異なる観点から豊かに横たわっている文化に気がつくのかもしれないしアルバムを聞けば、今その潮流がホットな爛熟を迎えている、ということを知る最新の地図になるだろう。
「この街はなんて物騒で猥雑で優しく愉快なのだろう!」
個人的には、引きずって浮かんでくるような歌い方でM7「オールドディック」のような枯れ芸を披露するエスケンさんの風姿は、音楽や詩作、パフォーマンスの面で、黄昏れて眩しいし、ラッパーとしてはM3「千の目、友にはふさわしき贈り物を」のピニェロやギル・スコットヘロンばりに効いてるトースティング、これを日本語でやられると参ってしまう。
ちわきまゆみ
「好きなことしかやって来なかった」と先日のあるパーティーでS-Kenさん。
アンダーグラウンド・カルチャー・シーンとメジャー・シーンを縦横無尽に繋いできた大先輩だ。
なんと25年ぶりというニューアルバム、これがすごいっ!全然錆びていない、言葉とメロディー。
トータス松本やスカパラ・ホーンズ、細野晴臣氏など豪華なゲスト陣の客演もねじ伏せていくS-Kenさんの歌世界。大人の喜びに満ちた1枚でした。
TOTO
「なにか素敵なことないかい。」って。
あの日胸がざわついて、いてもたってもいられなくて飛び出した。
あなたが飛び乗った列車のレールは、今どこへ辿り着いているだろうか。
S-KENのアルバムを聴く。
予感は的中する。S-KENの列車の中には、グラマーもよっぱらいも
飛び跳ねんばかりのTAXIも、変わらないトラブルメイカーも
グラスを交わして、歌って踊って列車のスピードは増すばかりだ。
タフで軽やかなステップ、スポークンワーズの地平線
生きることに酔いしれるにはワイルドすぎる面々。
どこをどう走ってきたら、こんな列車にのれるっていうんだ。
S-KENのアルバムを聴く。
目をこすって、周りを見渡す。ここはいったいどこの国だ。
新しい目をもらいに自転車にのったらネオンの中。
知らないビートに腕を掴まれて、ロマンティックな朝焼けの中
今度は船に乗る。
逆立ちしたって出てこない言葉がくれる、ランデブー。
トラブルイズマイビジネスって、チケットを渡された。
ぐつぐつと煮立ったスパイシーないい匂い。
この音はなんていう味だろう。遠くから遠吠えが聞こえる。
ああ、一匙で一度に1000の扉がひらく音がした。
仲山卯月(コーヒーカラー)
アルバム一枚を作るのはトンデモナイ気力がいります。S-KENさんが「そろそろ自分の作品を作りたい」ということを洩らしていたのは数年前。たくさんのアーティストを見出し、プロデュースをしてきた偉大なる氏(師)ですが、ずいぶんブランクもあるだろうし、いざ自身の作品にとりかかってアルバムを仕上げることなんてできるんだろうか?夢を語ったまま死んじゃう人も多いから、まさかヤバいんじゃないか?なんてことも杞憂した。しかし、本当に完成して音が送られてきたのです。
アルバムを聴きました。色々スゴイ。が、一番は何よりまず、これだけのゲストを使って、S-KEN以外感じない!こと。そして、間違いなく、かなり最高傑作です。プロデューサーをしながら相当量のマグマを蓄えておられたのではないですか。市民にレコメンドしたい作品です、特にアーティストたちに。そして、やっぱりS-KENは私にとって相変わらずインスピレーターだった、それがとても嬉しいです。
中山うり
s-kenさんらしい、とびきりやんちゃな作品になりましたね。
「アーティストs-ken」牙をむく。生き様を見せてくれてありがとうございます。
ハスキー中川
テキーラ・ザ・リッパー25年振りの雄叫びに捧げる言の葉
エスケン氏はいつも折れない!しなるのだ!一本気だ!人情家だ!本や音楽等の中から、魂とも言える「核芯」を自己の中で燃え上がらせ、具現化する達人だ!「昔は良かった!」そんな形容を置き去りにし、今、一番の悦楽や情念を体現化しようとする、気迫は俺と親しくなった4半世紀、何一つ、変わらない!だから、この新作もしかりだ!制作の苦労など、忘却の彼方?ギュッと自らが抱いた音楽への構想を屈託なく露出したのが、この一枚だと思う!千の眼は鋭さを加速する。流麗に、粋に、振り返らずに、、、、今を唄う!地下音楽水脈のドンは、、、、!
紳士淑女、老若男女、、、驚いちゃいけない!25年振りに!エスケン氏にとっての25年など
「マバタキ」のような時間の経過だと思う!そんな人間の生き様をあらためて、この一枚から俺は知る!桜の花の蕾が膨らむ季に、このアルバムが開華する!華のお江戸にタフな、酸いも甘いも噛み締めた男の心躍る肉声が鳴り響く!さあ、咲き乱れよう!静と動のノロシをあげて!
冷牟田 竜之
東京ロッカーズの中心的存在
芝浦インクスティックでの東京ソイソース
を主宰する クラブシーンの先駆者(プロデューサー)
80年代後半に始めてお会いして
その後後楽園での「カメレオンナイト」
にDJでお誘い頂いたりした。
東京のクラブシーンに不可欠な存在でもある。
そんなS-KENさんの歴史を網羅する
様々なビート 緻密なアレンジ 攻撃性を感じるがそれでいて頭の中はリラックスする様な
中毒性があり
非常に音楽的レベルの高いアルバムだと感じた。
参加ミュージシャンのプレイも素晴らしいし
何より 悪い大人の匂いがする。
期待を裏切らない
皆さんにお勧め出来る
大好きな音です。
ブルース・オズボーン(写真家)
嬉しいことに、しばらくプロデュースに軸をおいて活動していたS-KEN がミュージシャンとして帰ってきた!!
しかもいい感じで・・・
久々に聞くグルービーなサウンドは、とにかく私の気分を鷲掴みにする。
経験豊富なミュージシャンとの饗演は、カクテルに複雑な味わいと深みを増す。
ニューアルバム “Tequila the Ripper” の、1曲1曲を部屋に例えるとしたら、個性が際立つそれぞれの部屋を巡りながらパーティーを楽しむような感じ。
まるで、S-KEN が建てた家に行って味わい深いひとときを過ごす気分だ!
Bruce Osborn(Photographer)
I’m jazzed that S-KEN is taking a break from producing other artists and exploring his own sound. His new album Tequila the Ripper really delivers. It lays down a groove that holds me hostage until its last beat. With an awesome crew of musicians, it is a cocktail mixed with various rhythms and textures. The album is like a house with each song a different room. Every place is having party as I drift from one room to the next. This is the house that S-KEN built and I’m digging his party.
松竹谷 清
うれしいニューアルバム相変わらず浪漫の根無し草sケン やっぱりノリだよね
安田 謙一(ロック漫筆)
かなり歳は上なんだけど、一度も「さん」をつけて名前を呼んだことがない。そんな友だちから久しぶりに手紙が届いた。そこには「点と点をつなぐ男」と「ルンバロック命」という、いなくなちゃった二人の友人のことが書かれていてた。最後の一行は「まだいっぱい借りがあるんだ」。借りを返すってどういうことなんだ。友だちは、…S-KENは25年ぶりのアルバムで完璧な答えを示してくれた。
湯浅佳代子(WUJA BIN BIN)
S-KENさんの曲はひとつひとつが映画であり、絵画であり、ミュージシャンは役者であるとおもいます。一聴して引き込まれる キケンな匂いのする世界、可愛い男の世界 ひとつひとつ 上質な映画を見るような気持で耳も心も
刺激的な時間を味わえる 病み付きになるアルバムです。
吉田沙良(fromものんくる)
アルバム完成おめでとうございます!
まず感じたのは、カラフルでちょっとクレイジーなイメージ、豪華絢爛な楽器の移り変わり、参加アーティストの多さ! エスケンさんだからこそ出来る、コーラスの豪華さ!!!ボーカルの私にはそこが一番聞き耳を立ててしまいましたが(笑)、それをも堂々とエスケンワールドの一部にしてしまう、エスケンさんという人の人望、人生。
まるで自叙伝を読んでいるみたいに、エスケンさんの生きた世界が目の前で繰り広げられていくような、不思議な感覚。
CDアルバムを聴いているのに、ちょっと感覚が違う。
エスケンさんの人生を疑似体験しているような気分にさせられました。それくらい、ビートが心地よくて、低音が心臓に響いて、リズムが面白い。だからこそ、ちょっとクレイジーな言葉達までスッと心に入ってくる。
最高のアルバムだと思いました。
リリース発売を楽しみにしています!!
吉本ばなな
彼の声を聴いた時にだけ行ける、特別でイカすあの世界へ!ただ彷徨うために出かけていこう。
マイケル・アリアス(映画監督「鉄コン筋クリート」など)
酔いどれグル(尊師)エスケンの教え、やっと届きました!今、一番必要なのはコレではないか?知らない者、急げ!
Michael Arias (movie director「TEKKON KINKREET BLACK & WHITE」etc.)
Hot off the press, the latest life lessons from drunken guru S-Ken. Is this not just what we needed? Those of you still in the dark, get this NOW!
上野洋(flute,alto flute)
野性的で紳士的、ハードボイルドな世界の中にどこか感じさせる優しさ、25年ぶりの作品はs-kenさんそのままのカッコよさでした。
参加ミュージシャンの錚々たる顔ぶれにも驚きますが、ご本人のキャリアとお人柄のなせる業だと思えば納得です。
このアルバムで演奏できたことを光栄に思います。